掃除のアルバイトをしていた時

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還暦を迎えたが、悠々自適な生活などおくれない私は、ビル掃除のアルバイトをすることにして、日曜日にそのビルに集合して研修を受けた。集まったのは6人で、私以外は老婆であった。
1人1フロアーを受け持つということで、トイレ掃除などの研修を受けて翌日の月曜日から勤務にあたった。
男性用のトイレ掃除を済ませ、女性用トイレへ向かう時、年甲斐もなく緊張した。60年生きてきて女子トイレに入るのは、もちろん初めてのことだ。というものの、緊張しているのは当人だけで、背が低く、小太りで、以前はよくオバさんに間違われた白髪の老人のことなど、誰も気になどしないだろう。

この会社は外資系ということで、モダンな作りでトイレの片面が全面ガラス張りとなっている明るいトイレだった。中に入ると6つのトイレが向かい合わせで計12個あり、その内2つが和式、以外が洋式、目を引いたのがトイレの下の部分がかなり空いていて膝ぐらいまである。

私は緊張してモップがけを始めた。若い人はわからなと思うが、外見は劣化していても、心はほとんど若い時と変わらず、特に性欲については私の場合、ほとんど同じであった。


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