変なのに憑かれた
2015-01-20
深夜、新興分譲住宅の一室で智子は飛び起きた。半分反射的に時計を見る。『2:40AM』…また悪夢を見た。胸のドキドキが収まらない。パジャマ代わりのTシャツの中を変な汗が伝うのを感じる。
三浦智子16歳。地元の私立女子高通う普通の女子高生。…先月まで中学生だったけど―。
最近毎日この調子。3時ちょっと前に悪夢で目が覚める。あいつが来てから…。
智子は高校の心霊研究会に所属している。中学では吹奏楽とテニス部を掛け持ちして活躍していた智子。智子の中学時代をよく知る先輩から誘われての体験入部でどちらもすぐにあきらめた。中学とはレベルが違うのだ。
こういうあきらめは良いほう。物心ついたころから剣道・ピアノと親の欲目を押し付けられた智子は努力にも限界があることをよく知ってる。
だけど、とにかく先輩たちがしつこくて、帰宅部を選択する余地はなかった。なので一番暇そうな部活を探したわけだ。そこに渡りに船で中学からの親友、高橋由佳に誘われたのが心霊研究会。レギュラー争いとかそういうのはもう御免だった。文化部ならそれもないだろう。なにより、昔から