俺と真琴の少年探偵団
2007-01-02
時はもう12月になり、寒さが体の芯まで染み行く季節になっていた。
親父の急な転勤で九州の田舎から東京に来た俺は、前々から一つ考えていた事があった。
それは『東京に来てすぐに東京タワーに行くのは相当な田舎者である』という事だ。
しかし、今現在俺が東京タワーにいるのは一体どうした事だろう。
あまりにあっさりと自分の信念を崩したのは、他ならない妹の真琴のせいである。
新たな高校生活に向けて色々思索していた所、小学5年生のそいつは突如こう言った。
「お兄ちゃん東京タワー行きたい!」
満面の笑みで俺にそう言った真琴は、東京タワーを訪れる事による田舎者認定の事など
全く頭にないようだった。
「真琴、お兄ちゃんは行かないぞ」
「なんでー?連れて行ってよ東京タワー!!」
「東京に来てすぐに東京タワーに行くというのは、京都に行ってすぐ金閣寺に行くようなものなんだ。
わかるよな?真琴