忘れられない思い出

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2007-10-11

「カズが今度通う高校ってさぁ…」
ナルが僕のベッドの上で、つまらなそうに切り出した。仄かなBaby dollの香りが女のコを感じさせる。僕は、この匂いをさせるナルが好きだった。
「なんだよ?」
「共学なんよね?」
「当たり前だよ。俺最初っから男子校だけはパスって思ってたから」
「ズルイ~。アタシ女子高なのに!」
「いーじゃん、華の女子高生」
「これでアタシ達の愛も終わるんだね。カズは学校で可愛い女の子を見つけて、アタシは捨てられる運命なんだわ」
「おい、マテ!終わるどころか始まってもいないだろ」
「ひっどぉい!アタシの身体をもてあそんだの!?」
「声でかいって!その台詞おかん居る時に聞かれたら泣かれるから」
「なーんてね。はぁ…新しい友達作るの面倒くさいよね」
一週間後に高校の入学式を控える僕らは、実の従兄妹だった。ナルは、僕や、僕の親父と同じくスペインの血が流れている。子供というのは単純で、ある意味残酷な生き物だ。見た目からして僕

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