先生
2015-12-10
20151130-『先生』byあでゅー
その人を僕は先生と呼んでいる。と言っても、夏目漱石の『こころ』のパクリじゃない。別に先生の資格を持っていっる訳でも無いが、良く物を知っていた。例えば銀行は業績不振の時でもなぜあんな高い給料を払っているのか?それは急に給料を下げると取り付け騒ぎが起こるからだ、と教えてくれた。そんな訳で僕もその人を先生と呼んでいた。
先生は仕事をしてなかった。働く必要が無いからだそうだ。しかし、暇でしょう?と言うと
「君。働くって言う事は自分の時間を売る事だよ。なぜ、お金があるのにそんな事をしなくちゃいけないの?」
そう言って先生は今日も古本屋で何か漁っている。獲物は小説だったり、古い歴史書だったり、古地図だったりする。何でそんな物漁るのかと言うと
「金が掛からないだろう?それにあれの中にはお宝の隠し場所が書かれている事があるんだ。どうだい、暇は潰れる、金は掛からないし、おまけにお宝が手に入るかもしれない。一石三鳥だろう?あははは」
そう言って今日も先生は古