復讐だったのか

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その日、仕事を終えて帰宅すると、家の灯りが消えていた。

「…ったく、玄関の照明くらいつけとけよ」

普段と何となく違う雰囲気を感じながら、靴を脱ごうと身を屈めた瞬間、

頭にゴツンと強い衝撃を覚えた。殴られた部位を押さえる前に、

強い力が首根っこをつかむと、うつ伏せにして顔を床に押し付けてくる。

「うぐぐっ…」

何が起きたか理解できず、呻き声を漏らすしかなかった。

誰かが背中に座り、今度は俺の体を反らすように顔を引っ張り上げる。苦しい。

無理やり猿ぐつわを噛まされ、その上から何重にも粘着テープが巻かれる。

後ろ手にされた両手首、さらに両足首もきつく縛り上げられる。

最初の衝撃を受けてから、ほんの1分かそこらの出来事だった。

俺は身動きできない状態で襟首をつかまれ、奥へと引きずって行かれた。

リビングのドアを開けて放り込まれる。痛みとショックでパニックだった。

リビングには妻の香代と息子の隆一、それから覆面姿の男が何人かいた。


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