ある日突然・・・すぎるだろ!
2006-12-13
透明人間になった覚えはない。
「誰かぁ、あ、そうだ、明美っ」
とっさに、隣の席の明美に声をかけたが反応無し。あれ? 透明人間の声ってあったっけ。いやいや、なったつもりはないんだ、うん!
「じゃあ、美里! あんたはあたしを無視しないよねって――あれ?」
隣の席で、本を読んでいた美里はあたしの言葉をはねのけ、くるりと振り返ってしまった。「ねぇ、この漢字読めない」
バカだ……じゃなくて。
もしかして、まさかとは思ったけど、“いじめ”じゃん。
教室に入ったあたしは、無視の対象だった。誰も挨拶しないし、やさしかったはずの里香まで。男子なんか、いつもはじろりと一瞥するくせに、今日はそれさい無し。
黒板に、あたしを無視しろと文字はないけど、こりゃあ集団でのいじめだ。あまりの何もなさに、目のまわりが熱くなってきた。
つんと、わさびなんかよりずっと深く、痛さが襲ってくる。
あ