有紀
2008-06-20
金曜の深夜、俺(上原信二:仮名)は車を飛ばしていた。
急な納期の変更で、残業を余儀なくされた為だ。
「何で金曜のこんな時間まで、俺って仕事してんだろうね・・・ま、彼女いないからいいけど・・・」
時間はもう午前1時。
佐賀の職場から福岡の自宅までは、どう飛ばしても40分はかかる。
道中は眠たさとの戦いでもあった。
と、殆ど車の通らない山の中で、信号に引っかかる。
「ちっ」と舌打ちし、車内で背伸び。
と、突然誰かがドアをノックする。
「助けて下さい!」
女の子が、凄い形相でドアをノックしている。
な、なんだ?
慌ててロックを外し、彼女を車内へ。
「は、早く~」
彼女に即され、車を走らせる。
何度も後ろを気にする彼女。
殆ど裸に近い格好・・・
厄介な荷物を運んでるのか?
ドアを開けた事を今頃後悔。
「大丈夫?警察に行く?」