Marble
2007-12-08
「おい。ブラ透けてんぞ、お前」
飽きもせず夏を暑くする太陽の元、隣を歩く優のカッターシャツは薄く汗ばんだ肌に張り付いていた。
「うっさいわね、暑いから仕方ないでしょうが。あんまり見てるとお金とるわよ」
「そりゃこっちのセリフだ。迷惑料欲しいくらいだよ」
なにを~っ!と、拳を振り上げて追い掛けてくる優から、慌てて逃げ出す
―高校二年の夏。
幼なじみの俺と優は、二人仲良く補習を受ることとなった。
今はその帰り道。
補習は午前で終わりなので、まだ外は明るく、茹だるような熱に包まれている。
「それにしても、青春真っ盛りのこの時期に補習なんて……最悪よね」
「まったくだ。夏休みまで数学の山田の顔見ることになるなんて、思って