ついにばれた
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十年間続いていた彼女との関係が、ついに妻の知るところとなった。それは北京から帰った夜だった。それから苦悩の日が続いた。それは日記に綴られていた。
十月二十日(日)
中国で一週間の用務を終えて、北京空港十四時十六分に離陸した全日空機は大阪空港に十八時八分に着陸、新幹線に乗り継いで二十一時五十一分にH駅に着いた。H駅には妻が車で迎えに来てくれていた。
その妻が帰る車の中で、
「…話しそうか…どうしようか…」 と口ごもって言った。
「なんだい…。話してごらん…」 と云うと妻は話しにくい様子だったが、おもむろに
「あなたが出かけて三日目の夜、おかしな電話があつたのよ…」 と云った。
「どんな電話だったの…」 と聞くと、妻は
「あなたが、浮気をしている…、という電話だった」 という。
「うそ…、そんなことはない…。誰かの中傷だろう…。」
「貴方に限って、そんなことはないと思うが、でも、気になるの…」
「どんな内容の電話だったの…」 と聞くと妻は
「貴方が