果物のにおいのする足を舐める 私の性史2
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東京の大学に行っていた頃、私は世田谷の豪徳寺というところにあるアパートに下宿していた。私のいた二階は二部屋だけで、入って半年目にそれまでいた学生が引っ越し、代わりに若いOLが入った。たまに廊下で顔を合わた。地味な服装で長い髪を後ろで束ね、化粧もほとんどしていなかった。どこかの工場に勤めていると大家さんから聞いた。
少したつと、彼女を訪ねてくる男がいることが分かった。二人はひそひそ声で話したあと、セックスをした。薄い壁を通して押さえたあえぎ声が聞こえ、私はオナニーで欲望をまぎらした。
一階でで靴を脱いで階段を上がるアパートだったので、下駄箱には彼女の靴が何足か入っていた。私は下駄箱から彼女のヒールの高いサンダルをこっそり取り出し、部屋で匂いをかぎながらオナニーをした。不思議なことにサンダルは果物の匂いがした。
隣の部屋の話に耳を澄ましていると、二人の関係が分かってきた。彼女は山梨県出身の二十三歳、男は小学生の子どもがいる中年の妻子持ちだった。工場の納品業者らしい。女はいつも「旅行したい」とねだり、男は「山梨に帰るなよ」と言っていた。
二年目の冬