合い鍵
2009-04-02
久しぶりに深酒した。午後六時に始まった小学校の同窓会が二次会に流れ、三次会に付き合ったところまでは憶えている。でも、その後、どうやって家までたどり着いたのか頼子は殆ど憶えていなかった。それでも酒には強い方なので足取りはしっかりしている。
玄関で鍵を差し込もうとするのだが、何度やっても上手く入らない。おかしいな、と思いながら別の鍵を差し込むと今度はすんなり入った。
「何だ、こっちの鍵だったの。」
深くは考えず、玄関に転がり込んだ。男物の靴が目にとまった。
「あら、やだ。帰ってるわ。泊まりだって言ってたのに。」
独り言を言いながら靴を脱ぐ。ハンドバッグをテーブルに置き、次々と洋服を脱ぎ捨てる。一刻も早くシャワーを浴びて体から酒を抜きたかった。