本当の夫婦

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 私が初めて彼に会ったのは、ある運送会社の事務所でパートで働いていた時のことです。
事務所の受付で、向かい合わせに立った彼は背が高く、体格が良い人で、私は見上げてしまいました。
私を見つめるサングラスは、一瞬「怖いおじさん」を連想させます。
私が怖がっていると思ったのか、すぐにサングラスを外しくれました。目元が涼しげで穏やかな印象です。
「やあ、可愛い姉ちゃんやね、俺、此処初めてやねん、これから定期的に来るからよろしくな!」と
受けた印象とは違って、少し甲高い声と軽い感じの話し方で、親しみ易そうに思えました。
「まあ!お上手ですね、何も出ませんから、おばさんですけどよろしくね!」と答えておきました。
それから毎週、一度か二度やって来るようになり、私が出勤した時には、彼のトラックは来ていました。
私が車から降りると、トラックの窓を開けて、手を振ってくれ、私も手を振ってそれに答えました。
事務所に入ってくる時は、必ず何か飲み物とお菓子を差し入れてくれ、
たまには「事故品」


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