偽伯父さん

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2013-09-26

子供時代の不思議な体験の記憶なら、俺にもある。
小学校に上がったばかり…ということは、もう三十数年前の話だ。

10月のある日、小学校の運動場で開かれた地区運動会に、家族そろって参加した。
もともと落ち着きのない性格で、同じ町内の選手の応援にもすぐ飽きた俺。
自分の出番が終わると、校舎の裏とか普段行かない場所の探検に繰り出したんだ。

校舎は今でこそ鉄筋に建て替えられたけど、当時は風情ある木造。
床下に通じる穴に隠れたり、日ごろ近づけない焼却炉に上ったりして遊んでたら、
突然、背後から「よお、太郎君!」と呼び掛けられた。

振り返って見ると、メガネをかけた中年の男がこっちを向いて立ってる。
一瞬『あっ、一郎伯父さんだ!』と思った。ちなみに、太郎も一郎も仮名な。

一郎伯父さんは母の兄。当時40代半ばの面白いオッサンだった。

田舎にある母の実家で祖父母(母や伯父の両親)と同居してる。

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