君を忘れない
2010-06-22
親が経営するスーパーで嫌々レジをやってた時、小学3年ぐらい女の子が買い物に来た。
レトルトカレーやご飯などを手に持っていたので「親が作ってくれないのかな?」と思っていたら
「今日はお母さんが熱で寝てるから・・・妹の分まで」ということだった。
そして会計の時になったのだが、親から貰ってきた千円札ではちょっと足りなかったようで
「あ・・・ぁ・・・じゃあカレーは妹と半分ずつにするから1個返してきます」
俺は自分の財布から出した小銭を足して「千円でいいよ」と言った。
恥ずかしそうに礼を言ってその子は帰って行った。
あれから随分と経った。
経営がうまくいかなくてスーパーは潰れ、代わりにコンビニができた。
俺がレジをしていると、20歳ぐらいの娘が話しかけてきた。
「ここがスーパーだった頃、レジやっていた人ですよね?」
「・・・ん?もしかしてあの時の小学生?」
彼女は静かに頷き、謝らないといけないことがあると言い出した。
「あの時小銭を持って