セルフボンテージの快感から抜け出せない私・第4話[完]

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2017-09-25

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ギョッとして振り返る。
この場所からでは遠すぎた。
もはやひりつく実感となって全身を鳥肌立たせる感触に追われ、私はもつれながら四つん這いで自分の部屋に戻っていく。
挟んであったスリッパが覗いていれば、このカラダでもどうにか割って入れるのだ。

・・・だが、ドアはぴたりと閉まっていた。
不自由な手ではノブを回せない。
真実の恐慌が、パニックが私の心を飲み尽くすまで、たっぷり3秒近くかかった。

完全な『嵌まり』・・・。
私は抜け出す手段を失ったのだ。
最初に訪れたのは真っ白な衝撃。
そびえ立つ無慈悲な鉄扉を見つめるばかりで。
・・・絶望は、あとから深く、音もなくやってきた。

ほんの数時間前に・・・あるいは昨日、獣の拘束具を試そうと思った時に・・・。
いや、もっと前、奇妙な夢に飛び起きた、夏休みの始まりのあの朝に・・・。
私の無意識は、この無残なセルフボンテージの失敗を夢見て知っていたというのか。


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