料金所の女

開く
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 「あ、ここ違うだろ」
 「ああ、また間違っちゃった。先生、すみません」
 「しょうがないな~。一つ先で降りて戻ってこよう」
 麻由先生は寛大だ。
 「つかれてるんじゃないか。よし今日は私がねぎらってやろう」
 「ほ、本当ですか」
 「ああ、禿げ頭から湯気立ってるぞ」
 「恥ずかしい」
 麻由先生の笑う声が聞こえた。

 「爺、ちこう寄れ」
 「ひ、姫、何をなさるおつもりですか」
 「いいから。もそっとちこう」
 『・・・なんと姫は牌白だったのか』

 料金所を降りてほどなくホテルに入りました。
 「きいてるぞ。その年で未経験なんだって」
 「だ、誰がそんなことを。おからかいにもほどがあります」
 「帚に乗って飛び回れるとも聞いているぞ」
 汗が吹き出しました。ここの空調はどーなってるんだ。
 「私が箒になりますから、麻由先生はどうぞお乗りになってください」


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