オッサンの告白
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大学で現代史を専攻したせいか、日本の戦後史に興味があって、まだ私が若い頃には
『東京タワーはオレが作った』
『営団丸の内線の建設に参加した』
ってオッサンやジジイがゴロゴロ居て、行きつけの居酒屋で昔話を聞かせてくれて、場所柄『艶話』もあったりして、『赤線と青線』みたいな話もあった。
そんな中、あるオジサンから
「この話、誰にもしたことないんだけど、俺が23の頃かなぁ、長嶋が入団した年に『奇妙な体験』したんだよ」
「昭和33年ですね」
「若いくせによく知ってんな(笑)現場でケガして左足の脛にヒビ入って入院してたんだよ。そこで・・・」
~以下、オジサンの告白を再構成~
昭和33年秋、東京タワーの建設がいよいよ佳境に迫った頃、北陸の中学を卒業して上京8年目の俺はあるビルの建設現場で働いていた。
しかし、運悪くウインチで巻き上げ始めた直後の鉄骨が揺れて左足脛に当たり骨折してしまった。
元請会社の現場監督の厚意で大学病院に労災で入院させてもらえた。
骨折は一