空と海と大地と

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2007-11-20

「に、二階からイヤミ男!?」 
ゼシカは驚き声をあげた。 

魔王ラプソーンを討伐し、皆との旅を終えたばかりの身である。 

リーザスの領家の娘ゼシカ・アルバート。彼女であればポルトリンクの船着場を 
自由にできるということで冒険で使った古代の船はゼシカが管理することとなった。 
トロデーンの宴も酣になり仲間と「次はきっと気儘な旅をしましょう」と別れて、 
遠回りになるが船を港へ運ぶため、一人その船に乗り込んだのだ。 
分け与えられた装備や道具を運ぶため船室への扉を開けると、見慣れた船室に違和感を覚えた。 
血と砂塵の匂いがかすかに立ちこめている。 
見回してみれば誰もいないはずのベッドに誰か寝ている小さな呼気の音。 
ゼシカは気配を消しながらおそるおそるベッドへ近づき、掛かっているケットをいっきに剥ぎ取った。 


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