四川大地震・日本緊急援助隊ルポ
2008-05-19
「いちるの望み」に賭ける 四川大地震・日本緊急援助隊ルポ
2008.5.18 23:35
四川省北川県曲山鎮の中学校で、遺体を発見し収容する中国の救援隊(迷彩服)と日本の国際緊急援助隊ら=18日午後(共同) 【綿陽市北川県(中国四川省)=野口東秀】「兄が1階に…」。中国・四川大地震から7日目の18日、中学校の倒壊現場で捜索にあたった日本の国際緊急援助隊を、1人の少女が涙をぬぐいながら見守った。余震が頻発する中で、5階建てのうち1、2階部分がつぶれ、いつ全壊するか分からない状況での過酷な作業。だが、見つかるのは遺体ばかり。生命探査装置など先端の装備を生かせない日本隊だが、いちるの望みに全力を傾けた。
「逃げろ、危ない!」
日本隊がこの日割り当てられた、曲山鎮の北川(ほくせん)第1中学校の倒壊現場。地鳴りのような音とともに、崩れかけた校舎が揺れた。大小の余震が1時間に「20~50回」の頻度で続く。下敷きになった生徒らの正確な人数も分からない状況で、捜索は困難を極めた。