恩師

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2010-09-29

「553 ◆kKJLWMS1vQ 、はよ最後までかきんしゃい 」の続編です。
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口の中はカラカラに乾いて、自分でも何を話してるか解らなくなっていた。
先生との間の空気が重く、いつの間にか俺は喋るのを止めていた。
時間にしてどれくらい沈黙が続いただろう。ふと視線を上げると先生と目が合った。

やはりさっき見送ってくれた時の笑顔では無かった。
公立の受験に合格したことを喜んでくれた時の泣き顔でも無かった。
廊下で思わず抱きついた後の優しい笑顔でも無かった。
修学旅行でツーショットを写した時の無邪気な笑顔でも無かった。

体育祭の翌日、廊下で謝罪した時の「気にしないで」と言った時と同じ先生の顔だった。

さっきまで一人で興奮してここまで来たのが嘘の様に俺の心は醒めていた。

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