お化け屋敷

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2007-12-12

 今日の晩、食事中に、家族との会話で、十数年前まで住んでいた家の話になった。その家は借家で、私が十歳になるまで、そこに住んでいた。立て付けが悪い木造の一軒家で、冬に吹雪になると、窓の隙間から雪が入り込んで来る程、酷い所だったのを覚えている。家族も、風呂場にはよくハサミムシが出ただとか、台所に向かって蟻の行列が行進していただとか、玄関のドアが閉まり辛かったとか、前の家の酷さ加減を挙げて、懐かしんでいた。
 私も懐かしかった。幾ら古くても、長い間ずっといた家なのだ。やはり愛着はあったと思う。ただ、前の家には幾つか不思議な事があったのを思い出した。その一つは、寝室のドアの事だった。その家の寝室は二階にあって、一階から二階へ行くには当然階段を使う。そして、階段を登ると直ぐ寝室へ入るドアがある、という構造なのだが、父親が出張等で不在の時、私と母親の二人で寝床に着く時には、必ず母親がロープでそのドアを縛っていた。幼い私は理由を聞かなかったが、ロープで縛られたドアを見て、何故、母親はこんな事をするのか不思議に思っていた。
 そして今日、懐かしついでに、その事を、母

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