風邪と姉
2005-06-26
僕はベッドに入ったまま、ドアに背を向けて目をつぶっていた。なんだ
か、夕方になって、(実際は2時くらいだったけど、雨だったので暗かっ
た)また熱っぽくなった。
「ふぅ~」
少し苦しくなって息を吐いた。後ろから姉の手が伸びて、僕の額を触っ
た。
「熱っぽい?」
姉はそう言うと、体温計を出した。
「計ってみ」
「うん」
僕は言われるまま、フリースのお腹をめくって、脇に体温計を当てた。
姉は、肩の上からかばうように、手を当てた。
「なんかさ、ゴメンネ。いいトコだったのに」
「・・・・・」
「なんかさ、サキちゃんって、カワイイね。大事にしてあげなよ」
「・・・・・」
姉はお盆にのせた皿を持ってきた。フルーツの缶詰みたいだった。
「食べる?」
「うん」
体温は3