京介「俺の妹がこんなに可愛いわけがない【8巻かな?】」(前編)

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2011-10-02

「呪いは――解けないわ」
「は?」
「い、一度かかってしまった呪いは……もう二度と”解呪”することが叶わないの」
「話が違うじゃねえか。確かおまえの『願い』を叶えれば、呪いは解けるんじゃなかったか?」
「そうね。確かに……『私の願い』が叶えば、呪いは解ける。
ただ、それはあなたにかかった呪いがなくなるという意味ではないのよ」

言ってる意味が分からない。
黒猫のやつ、完全に電波入ってるが――しかし彼女の余裕のない必死な表情を見ると、
『いい加減にしろ』なんて言えるわけもなかった。
「じゃあ……”解呪”ってのは?』
「もっと強力な呪いで、いままでの呪いを上書きすることよ』

そうして黒猫は、世界でもっとも強く、古く、恐ろしい呪いを口にする。

「私と付き合ってください」

白皙の頬が、西日の中でも分かるくらいに紅潮していく。
左手はワンピースの裾を握りしめ、膝は

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