波平みなぎる
2006-06-07
この金曜の夜、ワシ磯野波平はみなぎっている。
五十も半ばを過ぎ、すっかり役に立たなくなったと思っていたイチモツが、まるで新婚当初のようなオギオギ感を伴い、血管を浮き上がらせてビクンビクンと天を突く程に怒張しているのです。
話を進める前にワシが何故そうなったのかをお話しておかなければなりませんでしょうな。
それは月曜日の事でした。会社終わりで帰宅中のワシは普段通りに『あさひが丘』駅を出て、馴染みの小料理屋で一杯引っかけて帰ろうと商店街を歩き始めたところ、“その店”が目に留まったのです。
廃業した寿司屋を改築して本日開店したというその店は『赤ひげ絶倫堂 あさひが丘店』といいました。
寄る年波か、最近妙に疲れやすくなったワシは「何か栄養剤でも」と思い、軽い気持ちで店内に入ってみたのです。
店に入るとワシと同年代くらいで、いかにも助平で絶倫そうな脂ぎった赤ら顔の店主が、
「いらしゃいませ。旦那さん、どのような効能の品をお望みでしょうか?」
と応対してきました。