暗い帰り道・前編
2015-08-11
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憧れの女子高に入学することができて、私の学校生活はとても充実していた。
テニス部の練習は厳しいけれど、仲の良い同級生はたくさん居るし、優しくしてくれる先輩も少しは居る。
学内に男子が居ないというのは、物足りないと言えば物足りない。
でも、そのぶん女子が多いわけで、つまり友達に成り得る存在もそれだけ多いわけで、悪いことではないと思う。
特に私の場合、部活動に打ち込んでいるので、恋愛はもう少し先でも良いし。
不満と言えば、あとは、部活後に学校のシャワールームを使えないというのがある。
数が限られているので、三年生しか使うことを許されていないのだ。
三年生が帰るのを待ってから使っている二年生も居るには居るけど、一年生までそんなことをしたら、生意気だとか何とか言われてしまう。
だから、夏が近づいて暑くなってきた時期にも関わらず、私は汗だくの身体をタオルで拭いただけで帰りの電車に乗らなければならないのだった。
7時の電車は、帰宅ラッシュに直撃されてほぼ満員だ。