誕生日プレゼント

開く
2008-10-30


あるデパートの二階。
柔らかな照明が大小の光を反射させて、
細かな商品を鮮やかに浮き上がらせている。
そのフロアの一角に嫁と二人で立つ。
慣れない場所にいるせいか落ち着かない。
先程、女性店員に名前を告げ、事情を説明すると、
「少々、御待ち下さい」と言ってから奥に下がっていった。
今は、彼女が戻って来るのを待っている。
ここに至るまでの経緯を簡潔に記述すると三行程度で
終わってしまうが、あえてもう少し長く書いていく。


三週間ほど前の事。
「あのさー、ちょっといい?……」
そう言って、嫁が目の前に座る。
夕食が終わり、後は風呂でも入って寝ようか、という時間。
キッチンのテーブルは、既に片付いていて、何もない。
お茶でも飲もうか、と考えていた。
翌日も仕事があるから、
少しテレビでも見て休んでから
寝仕度に移るのが普

お勧めの体験談