〇〇〇〇の女

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 ハッチバックの軽自動車で、午前中から手際よく住宅街、職場を回る飲料の販売員。
 小さな町で、もう何十年も続けています。(年がばれちゃうか)
 短パンと地味な色柄のベストで、おなじみさんの評判もまずまず。
 午後2時には仕事上がります。
 「かあさん」
 息子が小声で話しかけます。
 「これ、どうやってそろえるんだ?」
 白いバーをそろえてあげます。
 『今度、あっちのバーもそろえてあげるからネ』
 おっと、いけないいけない。
 「夕飯のおかずはなんにする?」
 「母さんの黒あわびがいいなあ」

 「おばさんの黒あわび最高だよ」
 「おばさんは失礼だろ?」
 「だって、〇〇〇〇おばさんって」
 「〇〇〇〇レデーくらいいえへんのかいな」
 男ばかりの職場で、輪〇の最中でした。
 父親に似てきた息子。
 今夜はあわびのお刺身にしようネ。

 「かあさん」


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