命賭しうその暗証番号

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2008-10-15

「2960…」。手錠を掛けられ、太ももには包丁が突きつけられていた。男3人に「暗証番号を言え」と脅され、体を震わせていたが最後には小さな声で銀行口座の番号を告げた。名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が昨年8月、拉致、殺害された事件。だが、その番号はうそだった。利恵さんは命を賭して、何を守ろうとしたのか。

 「死ぬまでに最低5、6回刺さないと死ねないかな」「もう、待てねーんだよ。殺しちゃうぞ」

 検察側は9月に開かれた初公判の冒頭陳述で、強盗殺人罪などに問われた神田司(37)、堀慶末(よしとも)(33)、川岸健治(41)の3被告による脅迫の詳細を明らかにした。

 暗い車内の床に座らされ、動くことができない。川岸被告が乱暴しようとした直後に3人で利恵さんを取り囲み、暗証番号を言えと脅した。番号を聞き出したと思うとすぐに殺害した。だが、

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