死を恐れる男
2011-04-09
ある村に、死を異常に恐れる男がいた。
特に男が恐れていたのは
「自分が埋葬された後に、棺の中で息を吹き返
してしまうのでは?」 というものであった。
その男が病気の床にあるとき、
家族全員に棺の中に電話線を引き、
息を吹き返したときに確実に連絡が取れるようしてほしいと
遺言を残し亡くなった。
葬式の後すぐに、遺族の住む家に奇妙な電話が入った。
内容は何を言っているのか聞き取れない上に、
ザーザーと混線しているような音が混じっていた。
家族は「いたずら電話だろう」と思って
電話を切ってしまった。