鏡の中の友達

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2012-03-27

私は幼い頃、一人でいる事の多い子供でした。 
実家は田舎の古い家で、周りには歳の近い子供は誰もいませんでした。 

弟が一人いたのですが、まだ小さくかったので、一緒に遊ぶという感じではありませんでした。 
父も母も祖父も、弟が生まれてから、以前ほど私をかまってくれなくなって、少し寂しかったのだと思います。
とにかくその頃の私は、一人遊びで日々を送っていました。 

私の家は古い田舎造りの家で、小さな部屋がたくさんありました。 
南西の隅には納戸があり、古い道具や小物が納められていました。 
その納戸に入り込んでは、仕舞ってある品々をオモチャ代わりにして遊ぶのが、当時の私の楽しみでした。 

その鏡を見つけたのが、何時のことだったのかはハッキリしません。 
もともと手鏡だったようなのですが、私が見つけたときは、枠も柄も無いむき出しの丸い鏡でした。 

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