空気を読める女
2011-07-31
中学時代の話。
この日の英語の授業内容はCan I、May Iで始める文の練習だった。
つまり「~してもいいですか」とお願いするための文法だ。
授業の半ばで、隣の席のKさんがノートも取らずにうつむいているのに気がついた。
真面目な彼女が、授業中にノートを取らないなんて信じられない。
落ち着いて彼女の様子を観察してみると、脚は内股で、何かに耐えるように唇をかみしめている。
様子を見るに、もしやトイレか?
「Kさん、トイレ?」
心配になって聞いてみた。
「……ううん、そんなことないよ」
否定されたけど、どうも嘘っぽい。
Kさんは人並み以上に羞恥心がある子だから、知られるのが恥ずかしいのかも。
そこで実験してみることにした。
「じゃあ手を机において、脚少し開いてみて」
「え……いいけど」
Kさんは少し躊躇したが、指示通りにしてくれた。
5秒、10秒……