浮世絵の女
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浮世絵というのは、=春画でいいのだろうか。
とあるギャラリーで見かけた浮世絵は、もちろんレプリカではあるのだが遊女が描かれたものだった。
しかし、遊女=春画とは限らない。
妻の智美は、浮世絵に描かれた美女そのものだった。
床上手でもあった妻のおかげかさみしくなった頭頂部。
浮気癖が治らず40過ぎても社内の女性にちょっかいを出しては心配をかけていた親友の古内君には子供がいない。
奥さんの奈菜さんは父親が私の上司だったので、入社した時から知っている。
「娘に注射はしないでくれよ」
ムチムチショートパンツからはフェロモンがあふれ当時不覚にも劣情をもよおしてしまった。
しかし、注射をしたのは、同僚の古内君で、奈菜さんはヴァージンだったと社内での噂になった。
ときどき見せるすがるような目つきには毅然とした態度をとったつもりだった。
そんなある日、
「妻の奈菜に何をしてくれたんですか」