洋服屋のおじいちゃん
2007-09-26
僕も昔、不思議な体験をしたので書かせていただこうと思います。
それは僕が小学校低学年だった夏の出来事です。その当時、僕ら一家は夏休みになると父の生家、つまり祖父の家に2~3日泊まりに行くのが恒例でした。
さてその年の夏休みの事。僕ら一家は祖父の家に到着して挨拶を済ませると、いつも遊んでくれる従兄弟のお兄ちゃんが野球部の練習から帰っていなかったので、僕は一人で村内を探険に出掛けました。
僕には真っ先に行きたい場所がありました。○○洋服店という、ひなびた山間の集落には珍しい背広の仕立屋でありながら、田舎にはありがちな日曜雑貨や駄菓子も扱っているお店です。
そのお店の老夫婦は、毎夏東京から遊びに来る僕をまるで本当の孫のように可愛がってくれたし、僕も従兄弟達も本当の親戚のように「洋服屋のおじいちゃん」と呼び、駄菓子を食べたり、従兄弟達とやる花火をおじいちゃんと相談しながら選んで買うのが夏の楽しみなのでした。
さて。そのお店へ向かう途中の事でした。「ん?」僕はなにげに裏山へ続く山道に人の姿を認めました。だけど何か妙なのです。