集落

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2011-04-03

もう20年以上前、少年時代の話である

俺は名は寅、友達は雄二と弘樹と仮名をつけておく

あれは小学校六年生の夏休み
俺達は近所の公園で毎日のように集まり、遊んでいた

夕焼け空が真っ赤に染まりだした頃

「そろそろ帰ろうか」と弘樹が言い出す

片親で家に帰っても一人ぼっちの雄二は
「もう少し遊ぼうや」と俺達2人を引き止める

門限に厳しい弘樹は
「ごめんな、また明日遊ぼうや!」と言い帰って行く

弘樹の姿が見えなくなると、決まって雄二は
「あいつ毎回付き合い悪いのー」と愚痴りだす

すっかり暗くなった公園には俺と雄二の2人きり

雄二の話に適当に相槌を打つも、早く帰らねば俺も親に叱られる

そんな俺の挙動が伝わったのか、雄二は少しイラついた顔をして
「寅も帰りた

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