「あんたヤギね」
2012-07-02
俺が小5だった夏。
隣の家に地元の私立中2年の優秀な女がいた。
その女と同じ中学に入れたいともくろんだ親は、その女に俺の勉強を見てくれるよう
頼んだんだが。
俺はその女が苦手だった。
たぶん、その女を身近に知るたいていの人間は苦手だったんじゃないかな。
見た目は悪くなかったが、中身は相当エキセントリックな人物だったから。
串刺しにしたかえるを食わされそうになったり、顔の上に座られて屁をこかれたり、
公園に縄跳びで縛られたまま放置されたりと散々な目にあわされていた。
ほぼ既知外なんだが、大人からは模範的な子と思われていたようで。
いい意味でも悪い意味でも有名な人物だった。
結局おれは水、土、日の週3、その女の家にいって勉強を教わった。
俺は嫌だといったが親、特に母親は非常に恐ろしく、当時の俺には逆らう術はなかった。
はじめは一応勉強は教わっていたが、正直教え方が下手というか、考え方が