寂しい母

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2022-12-25

寂しい母

数日前に愛犬ジョンを亡くして、俺は母のことが心配になって一年ぶりに帰省した。
まだ50前というのに、落ち込んで一気に老けこんでしまったように母さん。
母はジョンがうちへ来てからというもの、家族の誰よりも一番愛情をかけていた。
ジョンの散歩や躾を担当していた親父が亡くなってからは、母がひとりでジョンの世話をしていた。

俺が母を心配したのは、母とジョンの関係を知っているからだった。
内気でひとりで家にこもりがちな母を心配して親父が子犬のジョンを貰ってきて以来、母で自分の子供以上にジョンを溺愛していた。
ジョンがいるからとあれほど好きだった旅行にさえ行かなくなっていた。
そして大学生のとき。
当時、親父が入院中で実家には母しかいないはずだった。

特に連絡もせず帰省して、家へ入ると、女の喘ぎ声が聞こえた。
まさか母が浮気?
俺は動揺しながらも足音を殺して、リビングへ近づいた。


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