知的障害者の小学生

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2010-10-05

その学校では週に一度、給食の時間にタッちゃんがやってくる。 
養護学校のおばさん先生と一緒にやってくる。
タッちゃんは毎回、かならず暴れる。
小5の男の子が本気を出すと、既におばさん先生より強い。
 
私は転校生だった。初めてタッちゃんを見た時、怖くて怖くて、クラスのみんなのように黙って着席していることなんて出来なかった。
暴れているタッちゃんは、とても人間には見えなかった。一瞬でパニック状態に陥り、身体が逃げだしていた。
タッちゃんは逃げる私を追いかけ、背中を拳で殴った。衝撃で呼吸が止まった。恐怖で目の前が白くなったり黒くなったりした。
私を殴り終えたタッちゃんは、きちんと着席している他の子たちの背中も次々に拳で殴った。勢いをつけ体重をかけ全力で殴った。
殴られた女の子の半分くらいが泣いた。私も無意識のうちに泣いていた。男の子はみな黙って我慢していた。
給食の時間が終わるとタッちゃんは、おばさん先生と一緒に養護学校に帰って行った。
 

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