息子の嫁が「何でも言う事を聞きますから」と言ってくれた。8
----/--/--
息子の健介とは1か月ほど顔を合わしていなかった。
薫さんに聞くといつも部屋の中でダラダラしていて、リハビリに気力がないみたいだった。
薫さんは自分が仕出かした事故で健介の体がああなってしまったので意見を言う権利がないと思い何も言わないでいた。
そんなとき息子と話す機会があった。
「いつまで部屋に籠っているつもりだ。悲劇のヒロインみたいなことをして。薫さんがここへ来てから頑張っているぞ。お前と薫さんは一応、私の会社で働いていることになっている。
いくらかの給料だって出している。だからお前たち夫婦はやっていけているんだ。
でもこのご時世、働かない者には給料だって出せない。リハビリだって立派な仕事だって私は思っている。会社と言うものはそこまで甘くないぞ。」
そう言っても息子は私に顔を背けるだけだった。
そこへ薫さんが家事を終えてやってきた。
「お義父さん、私が悪いんです。健介さんの体をこんなにしてしまったんですから。健介さんの分も私が働きます。ですから、お願いです、健介さんを責めないでく