現実主義者の孝男さん

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2007-10-01

 あれからもう15年。もうほとぼりが冷めた頃だと思うので話してみたいと思うのです。

 その事件は15年前。僕が高2の時の事です。当時の僕にはAという友人がいて、家も比較的近かった事もあり親友と言っていい仲でした。
 そのAには2歳上の孝男さん(仮名)というお兄さんがいました。この孝男さん、高校に入ると県内でも名うての暴走族に入り、散々ヤンチャした末に高校を辞めてからは解体業で働いています。腕っ節も強く鬼剃り入れた角刈りでヤンキー丸出しの恐ろしげな人でしたが、弟のAと親友の僕には妙に優しく接してくれて、Aも僕も酒やタバコといった悪さは孝男さんから教えてもらったのでした。「そのうち女も教えてやるからな」なんて孝男さんの言葉に童貞の僕は内心ワクワクしていました。
 さてその孝男さんは。「この眼で見た物しか信じねえ」という超の付く程の現実主義者で、ある日Aの部屋で僕とAと孝男さんで酒を飲みながらTVの心霊特集番組を見ていた時にも、ビビリな僕とAが「怖ぇ~!」なんて騒いでいると、
「お前らバッカじゃねえの? あのな、この世にお化けだ幽霊だあなんて

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