大久保利通 中国に謝罪と賠償、沖縄帰属認めさせる敏腕外交

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2010-12-31

大久保利通 中国に謝罪と賠償、沖縄帰属認めさせる敏腕外交


明治初期、「眠れる獅子」と恐れられていた大国・清と交渉し巨額の賠償金を勝ち取ったのが維新の元勲、大久保利通だ。尖閣諸島問題での弱腰外交が批判されるなか、当時の毅然とした外交交渉を上智大学名誉教授、渡部昇一氏が解説する。



明治4年(1871年)11月、琉球の漁師54人が台湾に漂着した時、惨殺されてしまった。ところが清国政府は謝罪にも賠償にも応じない。それで政府は西郷従道を出兵させ、ただちに台湾を鎮定した(明治7年5月)。

それに引き続き清国と交渉するが埒(らち)があかない。全権公使は柳原前光(さきみつ)であったが、これでは話がつかないので、参議の大久保利通自身が全権弁理大臣となって北京に行くことになった。司法省からは井上毅がついてゆく。

清国政府は日本が先ず台湾から撤兵することを求めたが大久保はこれを拒絶して談判は決裂せんとした。その時、大久保は井上に最後通牒(つうちょう)の文案を起草さ

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