時として人は
2012-10-23
季節を違えて 生まれることがある 冬の蝉のように
けれど短いときを 悲しみもせずに 鳴き尽くせたら誰も 嘘と呼びはしない
時代を間違えて生まれてきたとしても、必死に鳴き続ければ必ず願いは叶う・・・冬の蝉
俺と同じ言葉を口にする男―。 その姿が水に遮られるまで、俺は目が離せなかった 文久二年、長州の高杉晋作らによって起こされた『英国大使館焼き討ち』。長州藩士で開国論者の草加十馬は、高杉らの暴挙を止めようとするが、時すでに遅く、大使館は炎に包まれていた。逃げ遅れた草加が町方に追われた、その時。彼は運命の男・秋月景一郎と出会う。宿敵であるはずの幕臣・秋月は「今は、国を乱している余裕はない。開国に向けて外国と対等でいるためには」そう言って草加を逃