ドキュメント・2253人のオッパイ
2004-11-13
─── その日が近づくにつれ、俺は人生最大の緊張感に押し潰されそうだった。
死体の解剖やお産の立ち会いなどはゲロもんだったが、今度のはワケが違う。
出張定期健康診断の実地研修で、あの××音楽大学に割り当てられたのだ。
講義中に配られたそのプリントを見ながら、心の中でガッツポーズをとった。
採血、検尿、胸部X線、身体測定など色々あるなかで、俺の担当はなんと聴診!
...嗚呼、こういうのを待っていたのだ。医者の道を選んで本当に良かった...。
家に戻り、おさまらない動悸をタバコで落ち着けながら、あれこれ考えを巡らした。
これほど恵まれた機会は二度とないだろう。脳裏に焼き付けなければ。
ちなみに当日の段取りは、小部屋を仕切り板で2空間に分け、一人が聴診を受ける
あいだ、もう片方の空間で2人が服を脱いで待機するカタチらしい。
それから、受け付け