露出のS(9)
2014-11-10
その日は一晩よく寝付けず、うっすらと明るくなる窓を見つめる。完全に寝不足。
まぁ今日は金曜日。日一日耐えれば明日お休み。と、寝るのをあきらめてシャワーを浴びる。
朝ごはんを食べていると、父が珍しく笑顔。両親は今夜から夫婦で旅行に行くとのこと。
なんだか会社から賞を貰ったんだって。じゃぁ今夜はバカ兄貴と二人っきりか。
兄貴のことは別に嫌いじゃない。前も両親が実家に法事に逝ったときに二人で留守番したとき、格闘ゲームで一晩徹夜するくらいの。その程度の仲良し。
ただその兄貴は友達と麻雀の約束をしていたらしい。両親からきつく二人で留守番するように言われて、20も過ぎてるのに口を尖らせてふて腐れる。
相変わらず子供っぽい。
その日は授業中眠くて眠くて…。さすがに友人たちにも心配された。それを「恋の病」と一刀両断の親友A美。
「だからそんなんじゃないってば」と声にだし自分に言い聞かせてみる。