展示会で仲良くなった23歳の事務の子・前編
2019-01-18
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《序章~製品展示会で》
今日は製品展示会のため、俺は技術課長として会社を代表し、都内の大手催事場に出かけていた。
自分の会社の小間(ブース)には自分ひとり。
小さなブースだし、そう何人も展示会に派遣できる余裕もない。
来場者にパンフレットを渡して説明したり、製品の配置を見直したりしていると、隣のブースから罵声が聞こえた。
「説明できないだと、ふざけるな!」
「申し訳ありません」
「他にエンジニアは来ていないのか?」
「はい、申し訳ありません」
隣は取引先の部品メーカー、B社のブース。
平謝りなのは、最近入社したばかりの事務の女の子、香織さん。
確か23歳と聞いている。
「すみません、どうしたんですか?」
「どうしたも何も、この会社の部品を見たくてわざわざ九州から出てきたのに、この娘はチラシ1枚で追い返そうとするんだ」
町工場の社長さん風体のおやじが言う。
「香織さん、今日は1人なの