さらばクッシー
2017-05-15
一
たぶん一度は聞いたことがあると思う。北海道東部の屈斜路湖には、クッシーと言う謎の生物が住んでいるらしいと言うことを。体長三から四メートルはあろうかと言う代物で、見た目は首長竜に近いが、背中に二つのコブが付いていることから明らかに違う謎の生物だ。僕の予想では、そう大きくは違わないだろうと思うのだが。
僕ら××高校の生物部の有志は、クッシーの姿をひとめ見ようと、一九九七年の夏休みを利用してキャンプ場にバスでやって来た。メンバーは、僕、竹下仁(ひとし)と、本郷武士(たけし)と、佐竹直之(なおゆき)。三人とも二年で百七十センチほどでメガネを掛けている似た者同士だ。
屈斜路湖に着くと、さっそくテントをはった。と言っても、一応取説は付いていたけれど、やってみると難しくて、三人でテントをはるのに二時間もかかってしまった。汗だくで、ようやくでき上った時はうれしくって、記念にとった写真は今も大事に持っている。
それから海水パンツに着がえ、湖を泳いだ。だが、湖底はゴツゴツした岩で足を着くとひどく痛かった。本当にこれが海水浴場かと