好きなのにいじめたくて壊したくて
2022-05-07
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久しぶりに会ったのに彼女は全然変わっていなかった。
彼女の髪が伸びているのが時間の経過を物語っていたが、はにかみ弾けるような笑顔も、華奢で抱き心地の良さそうな身体も、そのままだった。
見ているだけで触れたくなる女というのが存在するとして、彼女はまさにそのタイプだった。
彼女とは大学のサークルで知り合い、キスまでしたが、結局お互い別な相手と付き合い、卒業してしまった。
イベント好きなやつらがBBQを企画し、社会人初のお盆休みを懐かしい仲間達とバカ騒ぎすることにしたが、当然彼女も来るだろうという期待もあった。
さらに言えば自分同様にフリーになっていることも期待していた。
彼女は僕の顔を見ると、少し寂しげに微笑んだあと、いつもの朗らかな笑顔にすぐ戻った。
他の女そっちのけでわらわらと彼女に男どもが群がる。
僕は炭火を担当しながら、聞いてないふりで耳をそばだてる。
「さなえちゃん、あいつとはまだ続いてんの?」
「うん、細々とね」
「かー