妻が亡くなるまでの全てと、その後の僕の全て
2011-12-01
平成23年10月X日、僕は妻を失った。
新婚一年、闘病生活たった三ヵ月弱。
命日は誕生日の翌日という、
いまどきテレビドラマでも敬遠されそうな出来すぎた設定だった。
診断
7月3日、初めての結婚記念日の十日前の夜、
妻は血痰を吐いた。
週明けの5日に病院に行ったところ、
肺癌の疑いということですぐに大学病院に紹介状が書かれ、
精密検査に入った。
二週間に及ぶ検査の末、医者の診断結果は、
他臓器への転移はまだ見られないものの、かなり進行した肺癌。
他の病院だと恐らく手術適用にならないが、
この病院であれば切れるから切りましょうとのことだった。
妻は当然ながら強度の失意に見舞われたが、
手術できるという唯一の希望にすがることで自分を保っていた。