機微と機智
2007-09-19
チャイムギリギリで校門をくぐり、今日もセーフと一息ついてから、クラスの教室に入ると、いつもとは違う空気が流れていた。
何かあったの?と右隣の席の奴に尋ねると、何も言わず一人の女子を指差した。
その子の名は片桐さん。
彼女は成績優秀で眉目秀麗、それこそ学生としての褒め言葉はほとんど当てはまってしまうような子で、それでいて性格も良く、学校のマドンナとして注目を集める存在。
別段いつもの彼女と変わらないので、片桐さんが何?とまた聞いてみると、今度は顔のほうを指差した。
うん、でてるね。でちゃいけないものが鼻から・・・
整った鼻からなんとも鼻毛が猛々しく自己の存在を主張していた。
気づいてからは、もう周りの空気に同化しちゃった俺。
普段彼女と話さない俺は誰か注意してやれよ・・・と他人任せ。
それは他の奴らも同じようで、彼女の周りにはバリアが張られているかのように人が寄り付かない。その癖視線は、彼女のほうを向いているという非常に奇妙な空間。
こんな時に限って彼女と