浮世絵の女 2
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「って。まじか」
古内君は子ナシじゃなかったのか。
頭頂部の汗が冷たいものになって、首筋まで流れ落ちた。
急に気分が悪くなり、私はトイレに駆け込んだ。
目の前が一瞬暗くなった。
気がつくと病院のベッドで横になっていた。
「命に別状はありません」
とのことだった。
妻の智美が駆けつけてきた。
「しっかりしてください。お腹の子はあなたの子ですから」
その話は聞きたくなかった。
「いらしてくれたのね」
白のショートパンツに黄色のサマーニットには見覚えがあった。
子供がないせいかアラフォーとは思えない若さだ。
「注射はしないで